FRAPORT AG / KAIA
ドイツ フランクフルト空港 / サウジアラビア キング・アブドゥルアズィーズ国際空港

The Customer
サウジアラビアのジッダに位置するキング・アブドゥルアズィーズ国際空港 (KAIA) はメッカへの聖地巡礼するために何百万もの人々が利用する巨大空港です。
旅客及び貨物ターミナルの国内線・国際線を合わせて60社以上の航空会社が就航しています。
最新のターミナルは延べ67万㎡、46もの搭乗橋を備え2035年までに年間8,000万人以上の旅客を収容する計画となっています。
The Challenge
大規模な拡張と航空路線の増加に伴い、安全かつ効率的な航空交通管制 (ATC) を遂行するための、航空交通管制データ管理システムのアップグレードが必要となりました。
何よりも、24時間365日稼働し続けるシステム運用と、一切の集中を切らさず運用を継続する航空交通管制オペレーターにとっての最良の作業環境を構築することが求められました。
今回の拡張計画には、新管制塔だけでなく、エプロン (駐機場や誘導路) 管制用の新棟、最新技術が搭載されたパイロット用の訓練室、シミュレーションルームの他、既存航空管制塔の改修も含まれていました。
新管制塔の設計・施工をを担当したシステムインテグレータである、Innovative Contractors for Advanced Dimension (ICAD) は、次世代ディスプレイサーバーKVMシステム(DSKVM)の開発パートナーを検討していました。
本システムにおいては、操作性、画質、アクセス速度、アクセス・故障安全性、冗長性、ユーザービリティという複数の要件ににおいて最高水準を満たす必要がありました。
The Solution
ICADは空港のDSKVMシステムにおける革新的な設計とシステム全体で統合された要件を満たすために、複数のKVMメーカーを検討した結果、ATCシステムを始めとしたミッションクリティカルなプロジェクトにおける豊富な経験と実績を有していたことから、IHSEを採用しました。
新施設内に設置される合計6つのKVMシステムはそれぞれで冗長構成が組まれており、KVMマトリクススイッチを介して全ての専用ワークステーション及びコンピューターが接続されています。
KVMマトリクススイッチには、Draco Tera Enterprise 480 シリーズが採用され、ホットスワップ可能な電源やI/Oモジュールなど、運用におけるリスクを最大限回避できるように設計されています。
各KVMシステムはTCP/IPを経由して統合監視システム (GMS) に接続されており、SNMPコマンドを用いて通信をしています。
全てのKVMシステムが冗長構成で構築されており、万が一KVMマトリクススイッチに障害が発生した場合でも、KVMエクステンダー側で即座にセカンダリ系統へ切り替えることで、運用を継続することが可能です。
主要要件の一つである「オペレーターが単一のキーボードマウスで複数のディスプレイにアクセス可能なこと」に関しては、Draco U-Switch 476シリーズが採用され、マルチスクリーン制御が実現しました。
オペレーターはマウスのカーソルを任意のディスプレイに移動させるだけで、最大8台のPCへアクセス、操作することが可能となります。
KVMシステム系統図とラックに収容されたKVMマトリクススイッチ
The Benefit
IHSEのKVMシステム導入により、スペースを消費し、騒音や放熱の課題を抱える高性能なサーバーやワークステーションなどの PCは全て管制塔の下層階に位置するマシンルームへ移設され、上層階に位置するコントロールルームは必要最小限の設備のみとなりました。
これにより、コントロールルーム内は、騒音や放熱の問題から解放されただけでなく、整理整頓された作業環境を実現しました。
コントロールルームとマシンルーム間には物理的な距離があるにも関わらず、あたかもPCが手元にあるかのような感覚で、オペレーターは一切の遅延を感じることなく最高画質での操作が可能です。
新しいDSKVMにより、冗長化されたKVMシステム経由で接続されたあらゆるコンピュータへのアクセスが容易になりました。
– Mahmoud Fliefel, ICAD ATC 部門 責任者


